農産物の
安定供給体制を貫きながら、
コンサルティングや
後継者育成に挑戦していく。

#.05
アグリ事業グループ
佐藤 秀行Hideyuki Sato

農獣医学部拓植学科卒、1997年入社。3年目にアグリ事業グループに異動、埼玉配送センターの運営を任される。その後一貫してアグリ事業に携わり、2013年には株式会社モスファーム熊本を設立。

安定供給の大切さを痛感した
配送センター時代

「種まきから、お客さまの『おいしい』の声を聞くまで」がアグリ事業グループの仕事です。全国の店舗に高いレベルの野菜を提供するため、協力産地の巡回・監査・技術指導から、青果配送センターの管理、お客さまからの問い合わせ対応まで、すべての業務に関わっています。私は各業務のマネジメントを行いながら、農業生産法人「モスファーム」各社の役員も務めました。モスファームも兼任しているのは、入社3年目に異動した配送センターで「安定供給の大切さ」を痛感したからです。モスは当時から生産者を指定し、農薬・化学肥料に極力頼らず、土づくりにこだわった野菜の生産を行ってきました。その分気象変動の影響を受けやすく、当時は欠品もしばしば。私は生産者との交渉も任されていましたが、売買の関係だけではこの問題は解決しないと思いました。

モスファーム設立、勉強会、交流会…
生産者との関係づくりに走り回った

モスは2006年に初めて生産法人を設立、安定供給に向けて踏み出してはいました。しかし不作のたびに同じ問題が起こります。そこでトマトの産地・熊本にも、新しいモスファーム(自社系農場)をつくろうと決意。会社の立ち上げ方を一から勉強し、定款も自分でつくって株式会社モスファーム熊本を設立、役員に就任したのです。その後も静岡、熊本、長野と設立に携わりました。さらに、生産者同士の勉強会「モスアグリサミット」、生産者とモスの経営者との交流「HATAKE MEETING」を実施。生産者同士のネットワークが生まれ、モスとの信頼関係も強くなりました。2016年夏の大不作の時、他社がレタスをキャベツで代用するなか、生産者の皆さんが「モスだけは欠品させられん!」と優先的に供給してくださいました。おかげさまで、農産物の安定供給体制を確立できていると感じています。

アグリ事業をモスの柱に育てる
それが過去20年の恩返しになる

私は配送センター時代から20年近く、アグリ事業に携わってきました。その20年の活動を通して、「国内の農業界に知らない人はほとんどいない」というレベルまで、モスのアグリ事業の存在感を高められたと自負しています。農業界の人脈、直営型農業での生産力、協力産地からの供給力、これらはすべてモスの大きな資産価値です。モスでの社会人人生は、残り20年。私はこの期間をフルに使い、アグリ事業をモスの柱に育てたいと考えています。店舗への安定供給は貫きながら、トマト・レタスなどの農産物や肥料の外販、さらには農業参入を希望する企業へのコンサルティングもビジネスとして成立させたいですね。このような取り組みを通して、生産法人の後継者はもちろん、モスのアグリ事業を担う次世代の人材も育てていくつもりです。それが私からモスへの恩返しです。

(※取材当時)